今回は「こわい映画」の紹介です。
はじめに
最近はNetflix、Hulu、Amazon Prime Video等、
数多くの動画配信サービスがあります。
何を見ようか・・・
あまりにも作品が多く、迷いに迷ったときは、
ホラー映画を見ることがあります。
理由は、ホラー映画が特別好きだから・・・
というわけではなく、
「ホラー映画は集中して見る必要がないので、
ながらでつけておくのには丁度いいから」
という少し雑な理由です。
(ホラー映画好きの方、申し訳ありません)
とはいえこわい映画は好きです。
霊やゾンビやモンスター、異形の宇宙人達が大活躍する
いわゆるホラー映画もおもしろいですが、
あまりリアリティはありません。
リアリティのあるこわさは、
人がメインになっているものだと考えます。
現実に存在する(存在しそうな)
危うい人間、理解を超えた人間を描く作品は、
一般的なホラー映画よりも身近な恐怖を感じますし、
色々考えさせてくれます。
そこで、今まで見た映画の中で印象に残っている
こわい映画を3本程紹介したいと思います。
こわい映画3選
【こわい映画1】冷たい熱帯魚
一本目は最近見た園子温監督の冷たい熱帯魚です。
最近見た作品で、
この記事を書こうと思ったきっかけでもあります。
ストーリーは以下の通り。
死別した前妻の娘と現在の妻。その折り合いの悪い二人に挟まれながらも、主人公の社本信行は小さな熱帯魚店を営んでいた。波風の立たないよう静かに暮らす小市民的気質の社本。だが、家族の確執に向き合わない彼の態度は、ついに娘の万引きという非行を招く。スーパーでの万引き発覚で窮地に陥る社本だったが、そんな彼を救ったのはスーパー店長と懇意にしていた村田だった。村田の懇願により店長は万引きを許す。さらに大型熱帯魚店を経営する村田は、娘をバイトとして雇い入れる。その親切さと人の良さそうな男に誘われて、社本と村田夫婦との交流が始まる。
しばらくして、利益の大きい高級魚の取引を持ちかけられる社本。それが、村田の悪逆非道な「ビジネス」と知り、同時に引き返せなくなる顛末への引き金となった。
引用ーWikipedia(冷たい熱帯魚)ー
いい人に見えた隣人が、実はやばい奴だった・・・
系のホラーです。
この作品の一番の見どころは、
でんでんが演じる村田のキャラクターです。
村田はだれが見ても利己的な極悪人ですが、
随所で語られる強烈な悪人哲学は、
謎の説得力とカリスマ性があります。
でんでんがこの作品で、
多くの国内映画祭の助演男優賞を受賞したのも納得です。
それと村田の悪への一切のためらいのなさは、
同じ人間とは思えません。
「埼玉愛犬家連続殺人事件」という実際の事件を
ベースにしたストーリーらしいので、
現実にこのような人間がいると想像すると、
人間不信になりかねないです・・・
グロ、性的、暴力的な描写も多いので、
これらが苦手な方はご注意を。
【こわい映画2】 フリーソロ
二本目はドキュメンタリー映画のフリーソロです。
ホラー映画ではないので
グロさやビックリするシーンはないのですが、
心臓に悪いという意味ではホラー映画以上です。
何がこわいかってイメージ画像を見れば一目瞭然。
映画の主人公はロープや安全装置を一切使用せず、
素手だけで断崖絶壁をロック・クライミングする
アメリカ人のアレックス・オノルドです。
シンプルに見ているだけで手汗が出てきますし、
息がつまります。
絶叫マシンやバンジージャンプ、スカイダイビング等、
「あえてスリルを感じる」娯楽は存在しますがが、
絶対に安全である保障があるからこそです。
一瞬のミスで現実の死が待っている状況は、
娯楽やエンターテイメントの域を超えて、
もはや自殺です。
死を身近に感じるからこそ生を感じられるものなのか・・・
命は本当に重いものなのか・・・
等の哲学的な問いも浮かんできます。
アレックスの脳を研究すると、恐怖を感じる脳の偏桃体が、
不活性になっているとのことでした。
それはそうだろうな・・・とは思いつつも、
恐怖という感情は生存する上で不可欠なものだと
実感する映画でもあります。
ほとんどの人は、実生活の中で、
この人以上に命の危険をさらす状況は
なかなかないかと思います。
なので実生活で恐怖や緊張する場面の前にこの映画を見ると、
カンフル剤代わりになるかもしれません。
(保証はできません)
【こわい映画3】 カルネ
最後はギャスパー・ノエ監督のカルネです。
※残念ながら日本国内の配信はなく、
DVDでしか鑑賞できないようです。
1991年のフランスの作品で、40分の中編映画です。
一言で表すと
「嫌な予感がする」
を詰め込んだ映画です。
馬肉店を営む男は口がきけない娘と2人暮らし。娘は初潮を迎え、彼女の服に付いた血を見た男は娘が暴行を受けたと勘違いして、衝動的に疑わしき若者を殺そうと家を飛び出す。
引用ーWikipedia(カルネ)ー
ストーリーはこれだけです。
大きなポイントとなる出来事は一つだけで、
その他は淡々と父と娘の日常が描かれるだけです。
ただ、すべてのシーンの空気がこわい。
登場人物は絶妙に暗く・・・
家や街の雰囲気も絶妙に暗く・・・
各シーンのカットや間の取り方も、
言葉にできない違和感を感じる・・・
効果音もなんだか気持ち悪い・・・
近年、ギャスパー・ノエ監督は、
斬新でショッキングなストーリーや演出で、
多くの映画賞を受賞してきた監督ですが、
この作品は直接的な表現は多くありません。
(冒頭は少しショッキングな映像があります)
それでもこの不穏な空気感を出せるのは、
この監督は、人間がイヤだと感じるポイントを
とてもよく抑えているからかなと思わせます。
(この監督が一番こわい)
ちなみに続編のカノンもありますが、
こちらはなんだか狙いすぎてる感があり、
あまり楽しめなかった印象です。
おわりに
他にも何本か候補はありますが、
真っ先に思い付いたのが紹介した3本でした。
どれも自分の中では衝撃的な作品です。
ただ作品の内容上、
「こいつやべー奴なんじゃ・・・」
と思われる可能性があり、
人にはお勧めしにくい。
とはいえ、このような作品に興味がある人は、
少なくないとも思っていますし、
異常な作品である分、考えることも多いです。
このような映画が元からお好きな方はもちろん、
これを機に気になった方は、
ぜひぜひ見てみてください。
以上となります。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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