今回は「VUCA(ブーカ)」
という言葉の意味について書いてみます。
はじめに
「VUCA(ブーカ)」
という言葉をご存じですか?
この言葉はここ数年ほど、
聞く機会が増えてきた言葉です。
一般的には「VUCAの時代」
といった感じで、
近年の社会の特徴をあらわすときに、
使われたりします。
過去の記事で紹介した本、
「ニュータイプの時代」でも、
頻繁に登場した言葉です。
VUCAは4つの単語の頭文字
「VUCA」は、
以下の4つの単語の頭文字を並べたものです。
- V:Volatility(変動性)
- U:Uncertainty(不確実性)
- C:Complexity(複雑性)
- A:Ambiguity(曖昧性)
変動的、不確実、複雑、曖昧・・・
元々は軍事用語と呼ばれていますが、
近年では主に、
予測の難しい現在の社会環境を、
表現するために使われます。
V:Volatility(変動性)
インターネットやスマートフォンが普及し、
人々の活動は大きく変化しました。
現在では個人でも企業でも、
簡単にコンテンツやサービスを作ることができ、
情報発信も簡単です。
新しいサービスや概念は、
すぐに世界中に伝達され、
すぐに標準となり、
すぐに時代遅れになります。
例えば、UBERやココナラといった、
シェアリングエコノミーの概念や、
ブロックチェーンの技術を利用した、
暗号資産などは、
ほんの10年前には知らない人の方が、
多かったくらいですが、
ここ数年で量も種類も爆発的に増え、
社会のトレンドになっています。
テクノロジーやサービスの新陳代謝が、
とても速い今の時代に、
未来のトレンドを予想することはとても難しく、
新しいトレンドには、
素早く順応する必要があります。
U:Uncertainty(不確実性)
新型コロナウイルスの世界的流行や、
ロシアのウクライナ侵攻など、
想像しなかったような出来事が、
数多く起こっています。
コロナウイルスの蔓延により、
リモートでの勤務、学習が当たり前になり、
社会活動が一変しました。
ロシアのウクライナ侵攻では、
半導体をはじめ、
経済、産業に大きな影響をおよぼしました。
グローバルな社会となった今では、
世界のどこかで起こった出来事が、
私たちの社会と無関係ではいられません。
これらの出来事を予想することは、
ほぼ不可能であり、状況に合わせて、
柔軟かつ迅速に対応する必要があります。
C:Complexity(複雑性)
グローバル化した社会では、
海外のサービスや文化などを、
考慮する必要があるため、
ビジネスが複雑になります。
また、
サービスや情報の供給が簡単になった分、
種類・量は膨大になりました。
これらをすべて把握することは難しく、
それぞれの企業・個人が、
情報を収集・整理・選別し、
ある程度の判断で実行する必要があります。
A:Ambiguity(曖昧性)
昔の経済活動では、
便利かつ高品質かつ安価なものが、
無条件で売れました。
しかし現在は、
テレビ、冷蔵庫、洗濯機のような、
「便利なもの」は、ほとんどの人に行き渡り、
これから個人の求めるもの、
いわゆる「価値観」は、多様化しています。
数字や価格を追求し、
誰もが求めるものというのは、
生み出しにくくなっています。
VUCAを生き抜くためには
ここまで説明した通り、
VUCAの時代では、
変動的、不確実、複雑、曖昧・・・
と、非常に難しい時代と言えるでしょう。
さらにこの流れは、
今後も加速していくと思います。
予測不可、パターンも存在しない世界で、
どのように生きていけばいいか・・・
VUCAの時代を生き抜くコツを書きます。
具体的な経験に固執しすぎない
「前はこれでうまくいってたのに・・・」
変化が激しい社会では、
経験が時代遅れになるまでの期間も短くなり、
過去の経験を活かせない機会が増えます。
これからの時代では、
具体的な経験そのものを活かすよりも、
経験を身に着けるための方法論や、
経験を新しい技術に当てはめた時の応用力など、
経験をスライドさせて、
新しい知識を柔軟・迅速に、
身に着ける能力が大事になります。
準備しすぎず実行し、調整する
「これから何が流行るのか・・・」
不確実性が高い現在では、
先の未来を予測するのは不可能です。
だとすると、どうすればよいか。
予想ができないのなら、
まずは素早くやってみて、
何かが発生した時点で、
柔軟に対応するしかありません。
漏れなく情報を収集し、
綿密な計画を立てたとしても、
不確実な環境変化により、
無駄になることも多く、
準備にコストをかけすぎない方がいいでしょう。
環境に適合しすぎない
今の時代、どこの環境も、
変化の荒波に巻き込まれてしまいます。
「変化のない安定した環境」
というのは、希少になり、
仮に存在したとしても、
淘汰されていく可能性が高いです。
個人も環境の変化に
適合する必要があるのですが、
適合した瞬間、
すぐに時代遅れになります。
そうなるとまた、適合を求められ・・・
と、無限の適合ループにはまり、
とても大変です。
これを避けるためには、
個人は環境に適合しすぎるのではなく、
自分の軸を持ったまま、
柔軟に環境に合わせる必要があります。
周りに合わせ続けるのは不可能なので、
自分にとって何が大切かの軸は持ち、
他人、環境、社会と共存することが大事です。
これは企業や組織を作る際も、
意識するべき点だと思います。
おわりに
VUCAの説明は以上となります。
一つの場所、一つのスキルに、
とどまることが難しいというのは、
個人が柔軟かつ素早く考える必要があり、
非常に難しい時代だとは思います。
ただその分、新しいこと、
おもしろいことに触れる機会も多く、
自分らしく生きるチャンスも、
増えているのではないでしょうか。
私の好きな本、
「ニュータイプの時代」では、
さらに詳しく解説されているので、
もし興味がありましたら、
読んでみてください。
今回の記事は以上となります。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
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