この世で最も孤独な人工物

まじめな記事が多かったので、
今回は少し趣味路線で記事を書いてみたいと思います。

みなさま「孤独」を感じることはありますか?

「人はみな孤独」

よく聞く話です。

一概にその通りとは言えませんが、
長い人生の内に「孤独」を全く感じないという人は、
非常に少ないのではと思います。

私自身も多くはないにせよ、
時として「孤独」を感じることはあります。

そんな時に思い出すのが、
無人宇宙探査機のボイジャーです。

目次

ボイジャー計画

1977年、
無人宇宙探査機ボイジャー2機
(ボイジャー1号、ボイジャー2号)
が打ち上げられました。

そんなボイジャー達は、
打ち上げ後、
地球からぐんぐん遠ざかっていきます。

人類未踏の
木星、土星、天王星、海王星の側を通り、
太陽系を離れ、
現在も一人旅を続けています。

当然、ボイジャー1号は

地球から最も遠くに到達した人工物

であり、2021年10月現在、

地球から231億km先

の宇宙空間にいます。

※以下NASAのサイトで
リアルタイムでの距離や
ボイジャーの撮影した惑星の写真等が見れます。

Voyagervoyager.jpl.nasa.gov

地球から月への距離が38万km
なので、231億kmは並大抵の「遠さ」ではありません。

例えば時速100kmの車で、
地球から月とボイジャーへ向かった場合

どれくらいの時間がかかるか換算すると・・・

  • 地球~ボイジャー:231億km = 2億3千100万時間 ≒ 2万6千年
  • 地球~月:38万km = 3800時間 ≒ 160日

となります。

ボイジャーに人間が今から追いつくのは不可能でしょう。
(追いつけたらいいなとは思います)

ボイジャーの状況を想像してみます。

地球から遥か彼方遠い場所で、

無限の暗闇に包まれ、

周りには誰一人おらず、

今後も誰にも会うことはありません。

40年以上も孤独な旅をしていれば、
悟りでも開けるのかもしれません。

ただ、そんな経験の無い私としては、
想像するだけで恐怖を感じます。

そんなボイジャーの「孤独」に比べたら、
人間の持つ「孤独」なんて
たかが知れてるのではないか・・・
そう思える気がしてきます。

宇宙の隣人に向けたゴールデンレコード

ちなみにこのボイジャーには、
「ゴールデンレコード」と呼ばれる、
金のレコードが積み込まれています。

画像1

このレコードの目的は、
ボイジャーが宇宙のはるか彼方で宇宙人に遭遇した場合に、
地球や人間の情報を伝えるためのものです。

レコードには、

  • ジミーカーター大統領のメッセージ
  • 日本語を含むさまざまな言語でのあいさつ
  • 様々なジャンルの地球の音楽
  • 動物の鳴き声、風などの自然音

が収録されています。

※以下サイトでゴールデンレコードの一部が聞けます。

また、ジャケットには
地球の位置などを表す絵柄が描かれています。

まだ見ぬ宇宙人に向けてメッセージを送る
というスケールの大きい、ロマンのある話です。

ただ、ボイジャーが
太陽系に最も近い恒星系である
「ケンタウルス座α星」
まっすぐ向かったとしても、
約8万年(!)かかるらしいです。

このゴールデンレコードが
誰かの手に渡るのはまだまだ先になりそうです。

とはいえ、一縷の望みをたくして、
今もとてもとても遠いところで
孤独な旅を続けるボイジャーを
応援したいと思います。

がんばれボイジャー。

今も旅を続けるボイジャーに、
遠い地球から思いをはせます。

最後に

ゴールデンレコードに添えた
カーター大統領のメッセージが素敵です。

This is a present from a small, distant world, a token of our sounds,
our science, our images, our music, our thoughts and our feelings.
We are attempting to survive our time so we may live into yours.

これは小さな、遠い世界からのプレゼントで、
われわれの音、科学、画像、音楽、考え、感じ方を表したものです。
私たちの死後も、本記録だけは生き延び、皆さんの元に届くことで、
皆さんの想像の中に再び私たちがよみがえることができれば幸いです。

ボイジャーはこれからも旅を続けます。

そしてこのレコードが、
誰かの手に届くかもしれません。

それが私の死後だとしても、
しようがないですね。

まだ見ぬ遠い世界の方々に、
地球の文化や思いが伝わり、
思いを受け取った方々が何かを感じるかもしれない・・・

そう想像するだけで夢があります。

せめて私が死ぬまでは、
このボイジャーを追いかけたいと思います。

今回の記事は以上です。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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