今回は「チル」という言葉の意味について、
考えてみます。
はじめに
ここ数年、「チル」という言葉を
聞く頻度が増えたと思いませんか?
キャンプやサウナ等、
静かな趣味が流行るのに比例して、
耳にする機会が増えてきた印象です。
先日、知人から
「チル」って結局なに?
と聞かれたことがあり、
なんとか説明したことがありました。
日本語で簡潔に説明するのは意外と難しく、
意味合いを知らない方も、
少なくないかと思ったので、
今回記事にしてみます。
(個人的な独自解釈も多く含まれているので、
ご承知おきください)
個人的に好きなニュアンスの言葉でもあり、
私生活では常に「チル」になるための、
あれこれを探していたりします。
「チル」はポジティブな感覚
まず「チル」は、ポジティブな感覚の状態です。
「チル」という言葉を日本語で言い表すと、
以下のような状態が、組み合わさっている状態、
になるかと思います。
- リラックスしている状態
- 静かで落ち着いている状態
- 充足感のある状態
- 悩みがない(解放されている)状態
心地よい環境(場所、時間、人)で、
得ることができる、
満たされていながらも、
静かでリラックスしている状態です。
静かな快感とでも言うのでしょうか。
![](https://sevenmaru.com/wp-content/uploads/2022/02/kylo-Lo9CfHw5vKk-unsplash-2-1024x683.jpg)
複数のポジティブな感覚が組み合わさっており、
ある意味パーフェクトな状態です。
「なんかわからないけど完璧だな」
と感じたら「チル」の状態かもしれません。
ポジティブな言葉ですが、
アップテンポの音楽を聴いて、
テンションが上がっている状態とは、
対極に位置します。
音楽のジャンルで、
「チルアウト」というジャンルが、
「チル」という言葉が流行る以前からあります。
チルアウト(英語: chill out)は、電子音楽の作曲者により生み出された、比較的陽気でスローテンポなさまざまな形式の音楽を表す包括的な言葉である。発祥は1990年代前中期で、くつろぐことを促す俗語から来ている。
引用元ーWikipedia チルアウトー
「チル」という言葉の通り、
スローで落ち着いた電子音楽のジャンルが、
「チルアウト」です。
最近は「チルハウス」のような、
「チル」と既存のジャンルが、
組み合わさったジャンルも多々ありますが、
どれもこの「スローで落ち着いた」雰囲気を、
含んでいます。
音楽の「チル~」の言葉もまさに、
最近の「チル」単独の言葉の使い方と、
近しい位置にあります。
なお、英語の「Chill」の意味は、
「冷気」や「冷たさ」といった意味ですが、
英語圏でも、
「のんびりする」「くつろぐ」といった、
日本で使われているような意味と、
似たような使われ方をします。
「リラックス」とはちょっと違う
この「チル」の状態、少しわかりずらいのが、
ただ「リラックス」しているだけでは訪れない、
というところでしょうか。
例えば、土日に家でなんのストレスもなく、
1日中テレビを見ているとします。
非常に「リラックス」している状態ですが、
「チル」の状態とは少し異なります。
「チル」の状態になるには、
その前に一定の負荷がかかっている状態、
つまり熱狂状態、緊張状態である
必要があります。
![](https://sevenmaru.com/wp-content/uploads/2022/02/concert-g00a9a2a8a_1280-1024x576.jpg)
ここ最近の「チル」の代名詞とも言える、
「サウナ」を例にするとわかりやすいです。
(ちなみに個人的にサウナは大好きです)
日常存在しないような高温に耐えた後、
水風呂や外気にさらされることで、
テンションの上がった状態から、
急激にリラックスした状態に移ります。
この緊張状態から急激に力の抜けた瞬間に、
「チル」の状態が訪れます。
「チル」を手に入れるには、
ある程度、積極的に緊張状態を、
取り入れる必要があります。
もちろんその緊張状態が、
普段の仕事や私生活にある場合は、
特に「緊張状態」を意識する必要はなく、
リラックスした状況に移るだけで、
「チル」の状態になることができると思います。
眠くはない
もう一点、
「リラックス」と異なる点として、
「チル」の状態のときは、
あまり眠くはならない印象です。
どちらかというと、
頭の中がすっきりしている状態で、
思考回路は冴えています。
- 普段思い浮かばないようなアイデアが浮かぶ
- いつもの悩みを客観的に考えることができる
といったようなこともあり、
仕事や私生活のヒントになることも、
あるかもしれません。
この状態を長続きさせたい場合は、
スマホなどのデジタル機器からしばらく離れ、
お金や数字などを扱うような現実的な作業を、
行わないようにするのがよいかと思います。
「チル」を感じたシーン
実際に「チル」を感じた瞬間を、
思い出してみました。
個人的には、
下記例のようなシチュエーションで、
「チル」に近い感覚を感じたような記憶です。
賛否両論あると思いますが、
経験としては一般的な例なので、
共感できる人がいたら幸いです。
例①:旅の帰り道
【ポイント】活動的で刺激の強い環境から、安心できる日常の環境に戻るときに、緊張状態から解放され、「チル」の状態になる。特に海外のように、環境が大きく異なる旅先であればあるほど、戻った際のふり幅が大きく、「チル」を感じやすい印象。
![](https://sevenmaru.com/wp-content/uploads/2022/02/airport-g9078a4911_1920-1024x683.jpg)
例②:徹夜での飲み会や麻雀が終わった後の明け方
【ポイント】にぎやかではつらつとしたトークや、緊張した勝負が終わった後の疲労感と解放感から「チル」の状態になる。
例③:週末の深夜残業後の帰路
【ポイント】長時間負荷をかけて仕事をしている状態から解放されると同時に、次の日が休日である安心感を感じることで、「チル」の状態になる。さらにトラブルが解決するなどで、ストレス要因がきれいさっぱり解消されればされるほど、「チル」感が倍増する印象。
仕事の後でも、
「チル」を感じた記憶があります。
世の中の多忙なサラリーマンは、
ある意味「チル」を追い求めて、
仕事をしているのかもしれません。
(考えすぎかもしれませんが)
また、緊張状態から解放された後の、
リラックスできる環境というのは、
特別である必要はないと思います。
「普段の帰り道夜風に当たる」
「いつもの街の空が白む」
等、スペシャルではない場所でも、
気持ちの良い安心感を感じることは、
できると思います。
おわりに
ここまで個人的な解釈も多く含まれているので、
異論もあるかと思いますが、
大外しはしていないと思いますので、
よかったらご参考いただければと思います。
この「チル」という状態は、
安心感という意味では、
「リラックス」と近しいですが、
「リラックス」よりさらに、
満足感・充実感の高い状態です。
ミクロな視点で考えると、
人はみな、日々様々な「チル」を目指して
生きているといっても、
過言ではないかと思います。
(言いすぎでしょうか・・・)
![](https://sevenmaru.com/wp-content/uploads/2022/02/emilie-farris-pD1SsYcQy8g-unsplash-1-1024x683.jpg)
少々難しいのが、
「完全なストレスフリー」の状態に
いるだけでは、
「チル」は訪れにくいという点です。
緊張状態を経ることにより、
手に入る状態のため、
人によっては少々負担になります。
ただ、
この「緊張状態」が「苦痛」である必要はなく、
没頭できて、
心地よい疲労感を感じることができれば、
問題ありません。
ベストなのは、人それぞれが、
その人の性格に合った「望ましい緊張状態」を、
見つけることだと思います。
「緊張状態」を得ることができる手段は、
様々あり、やることによって、
- 活動場所:「インドア」or「アウトドア」
- 活動人数:「大人数」or「少人数」
- 緊張状態の強さ:「強刺激」or「弱刺激」
等、複数の特性があります。
いくつか例をあげると、
- 「大人数」が好き:パーティーやイベントなど
- 「少人数」が好き:ジョギングやサウナなど
- 「アウトドア」が好き:キャンプや旅行など
- 「インドア」が好き:ゲームなど
- 「強刺激」が好き:難易度の高い仕事や遠方への旅行など
などでしょうか。
正直言って、ただの趣味です。
ただ、この趣味に没頭し、負荷をかけ、
疲労感を感じた後に、
安心感のある環境に移ることで、
「チル」を得ることができるのかと思います。
なんか最終結論として、
「没頭できる何かを見つけるといいね」
みたいになってしまいました。
とはいえ私生活の充実のためにも、
もし今「没頭できることが無いな」という人は、
よかったらこれを機に、「チル」を目指して、
探してみてはどうでしょうか。
今回は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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